メモリは略せずに言うと、メモリモジュールです。メモリモジュールはメモリチップ、基盤、SPDなどで構成されています。ここでは、メモリをメモリモジュールで統一して書きます。
SDRAMのメモリモジュールは、メモリチップの容量や構成が色々とあり、パソコンによって使えるSDRAMのメモリモジュールが違います。
SDRAMのメモリモジュールに搭載できるメモリチップの枚数は、通常最大16枚です。16枚のメモリチップを搭載すると、片面8枚の両面実装のメモリモジュールができます。8枚のメモリチップを搭載すると、片面8枚の片面実装のメモリモジュールまたは、片面4枚の両面実装のメモリモジュールができます。説明が難しくなるので、16枚のメモリチップを搭載したメモリモジュールを両面タイプ、8枚のメモリチップを搭載したメモリモジュールを片面タイプと呼ぶことがあります。
同じ256Mbitのメモリチップであっても、16Mx16や32Mx8や64Mx4など構成が違うことがあります。これでも、対応できるパソコン(マザーボード)が違ってきます。
メモリチップとメモリチップ数から計算したメモリモジュールの容量、SDRAMのメモリモジュールが使えるIntel製チップセット(一部)を表にまとめてみました。
メモリチップ | メモリチップ枚数 | 計算 | メモリモジュール容量 |
64Mbit | 4 | 64 / 8 * 4 = | 32MB |
8 | 64 / 8 * 8 = | 64MB | |
16 | 64 / 8 * 16 = | 128MB | |
128Mbit | 4 | 128 / 8 * 4 = | 64MB |
8 | 128 / 8 * 8 = | 128MB | |
16 | 128 / 8 * 16 = | 256MB | |
256Mbit | 4 | 256 / 8 * 4 = | 128MB |
8 | 256 / 8 * 8 = | 256MB | |
16 | 256 / 8 * 16 = | 512MB | |
512Mbit | 4 | 512 / 8 * 4 = | 256MB |
8 | 512 / 8 * 8 = | 512MB | |
16 | 512 / 8 * 16 = | 1GB |
Intel製チップセット(SDRAM用)の一部 | ||||
チップセット | 440BX (※1) |
810系 | 815系 | 845 |
最大メモリ チップ容量 |
128Mbit | 128Mbit | 256Mbit (※2) |
512Mbit |
最大メモリ モジュール |
256MB | 256MB | 512MB | 1GB |
最大メモリ スロット数 |
4本 | 2本 | 3本 | 3本 |
最大メモリ 搭載容量 |
1GB | 512MB | 512MB | 3GB | チップセットの仕様であり、パソコンやマザーボードなどの仕様とは異なることがあります。詳しくは、パソコンやマザーボードのマニュアル、またはメーカーへお問い合わせください。 ※1:古いリビジョンでは、メモリチップ64Mbitまでという情報もあります。 ※2:64Mx4未対応 |
ここからが、やっと本題です。良く質問を受けるSDRAM 256MB 片面タイプ(メモリチップ8枚実装)に使われているメモリチップは256Mbitになります。Intelのチップセットでは、815系か845のみの対応になります。Intelのチップセットの440BX(一部例外あり)や810系では、使用できないのです。440BX(一部例外あり)や810系には、SDRAM 256MB 両面タイプ(メモリチップ128Mbit×16枚実装)が対応することになります(相性を除いて)。
メモリモジュールに搭載できるメモリチップ数は、通常4〜16枚です。メモリモジュールの1枚当たりの容量を増やすためには、メモリチップの容量を増やすしかありません。コストパフォーマンスの高いメモリチップがその時代の主流になり、64Mbitから128Mbitへ、128Mbitから256Mbitへと、段々と移り変わっているのです。現在のSDRAMの主流はメモリチップ256Mbitのようで、128Mbitは主流から外れてきています(メモリチップは主流から外れると、一般的に価格が上がります)。そのため、同じ容量のメモリモジュールでも価格差が生じ、現在SDRAM 256MB(メモリチップ128Mbit)とSDRAM 256MB(メモリチップ256Mbit)は価格が違います。