ディスプレイへ画像を出力することがビデオカードの役割になります。MS-DOSからWindowsへ移行し始めたころ(だったと思います)、2Dグラフィックアクセラレータ機能がビデオカードに搭載されるようになりました。今では、2Dグラフィックアクセラレータ、3Dグラフィックアクセラレータが標準的に搭載されていることが多くなっています。自作パソコンを作っている方は、WindowsXPをインストール直後で、ビデオカードのドライバがインストールされていないときで、画面の描画が遅いと感じたことはありませんか。この状態では、2Dグラフィックアクセラレータが無効になっています。ビデオカードのドライバインストール後は、2Dグラフィックアクセラレータが有効になり、画面の描画が速くなります。
自作パソコンでは、ビデオカードが一般的な呼び方のようです。ビデオカードの他の呼び方は、グラフィックカード、2Dグラフィックアクセラレータカード、3Dグラフィックアクセラレータカードなどです。あと、カードとボードとは、どちらでも構いません。英語的には、カードと呼ぶ方が近いようです。
最近のビデオカードの機能の違いは、3Dグラフィック性能、出力機能、ビデオメモリ容量、インターフェイス(AGP、PCI)などです。この4つについて、書いていきます。
— 3Dグラフィック性能 —
3Dグラフィック性能は、ほぼ価格で決まっていると言ってもいいぐらいです。3Dグラフィックを使ったゲームを綺麗なグラフィックで快適に遊ぶには、一番高いビデオカードを選んでしまえば、ほぼ間違いありません。今だと、ATI RADEON X800XTかnVidia GeForce 6800 Ultraを採用したビデオカードです。最近の3Dグラフィックを使ったゲーム(重いと言われるゲーム)の推奨環境のビデオカードの価格帯は、¥15,000 〜 ¥25,000ぐらいになっています。
— 出力機能 —
出力は、D-sub15ピン(アナログ出力)が多く採用されています。最近は、デジタル出力(DVI系)も採用されることが多くなってきました。TV出力(コンポジット、S端子)も最近のビデオカードには、ほとんどあります。HDTV用にD端子やコンポーネントで出力できるものも出てきています。大画面のテレビに出力して、映画や録画したテレビ番組やビデオカメラで撮った動画などを見るときには、この出力機能を重視して、選ぶと良いと思います。マルチモニタする際には、出力が2系統以上あるものを選ぶと良いと思います。
— ビデオメモリ容量 —
8MB 〜 256MBぐらいであります。最近の機種であれば、64MB以上搭載していることが多くなっています。3Dグラフィックを扱うことが(ほぼ)ない際には、8MBや16MBぐらいでもだいたい足ります。3Dグラフィックを扱うなら、64MB以上はある方が良いと思います。
— インターフェイス(AGP、PCI) —
AGPはAccelerated Graphics Portの略で、ビデオカード専用になっています。そのため、パソコンにAGPスロットがあれば、AGPのビデオカードを選ぶことをオススメします。AGPスロットがないパソコンで、PCIスロットがある機種では、PCIのビデオカードを選ぶことになります。AGPのビデオカード(出力1系統)で、マルチモニタをしようとするときに、PCIのビデオカードを使う手があります。AGPのビデオカードで出力が2系統に買い替えてる手もあります。
— その他 —
静音化が定着しているので、ファンが不要な低発熱なビデオチップを搭載したファンレス(ヒートシンクはあります)のビデオカードがあります。埃が多い環境、HTPC、静音化などでファンレスのビデオカードを選ぶと良いと思います。
インターネット、ビジネス用途(ワープロ、表計算など)などでは、チップセット内蔵ビデオまたは¥5,000 〜 ¥10,000ぐらいのビデオカードを選ぶと良いと思います。
ビデオカードはディスプレイに出力するための機能で、パソコンには必須機能になっています。メーカー製パソコンやMicroATXマザーボードなどでは、チップセットにビデオカードと同じ機能を内蔵していたり、ビデオカードと同じ機能がマザーボード上に搭載されていたりしています。
” ビデオカードとビデオキャプチャカードの違いについて ”
呼び方が似ているので、ビデオカードとビデオキャプチャカードを間違われることがあります。キャプチャを直訳すると捕獲(捕獲する)という意味になります。パソコンでは、捕獲ではなく、データを取り込むという意味で使われます。ビデオキャプチャは動画データをパソコンに取り込むことで、パソコンでビデオを録画すると言い換えると分かりやすいかもしれないですね。